強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
どうしようかと迷っていると、そんな私を察してくれたのか志穂さんが晴斗君にぴしゃりと告げる。

「だめよ、晴斗。明ちゃんだって予定があるんだから。それに、昨日たっぷりと遊んでもらったでしょ」

「やだ。もっと遊びたい」

「だめ」

「やーだー。明ちゃんと遊びたい」

晴斗君が悔しそうに足をドンドンと踏み鳴らして、その目には大粒の涙が浮かんでいる。

やっぱりこのまま晴斗君のことを置いて帰りづらい。

どうしようかな……と、考えていると、私の手を掴んでいた真夜の手が不意に離れた。そして晴斗君と視線を合わせるように膝を折る。

「晴斗君。おじさんのことも混ぜてくれるなら、これからみんなで一緒に遊ぼうか」

「えっ、真夜?」

予想外の提案に私が慌ててしまう。そんな私を振り返って真夜は軽く微笑んだ。

「いいよな、明」

「う、うん」

もちろん、私は賛成だけど。

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