強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
いつも私と晴斗君が遊んでいる公園には芝生の広場があって、今日は天気がいいこともありたくさんの家族連れがレジャーシートの上にお弁当を広げてランチを楽しんでいた。
私たちも公園に着く頃にはお昼になってしまうと思い、ここに来る途中でパン屋に立ち寄ってきた。
芝生広場のベンチがちょうど空いていたので、そこに座ってまずはパン屋で買ったサンドイッチでお腹を膨らませる。
それから公園で遊び始めたけれど、晴斗君と初めて遊ぶ真夜はすぐにヘトヘトになっていた。
滑り台やブランコ、鉄棒などの遊具から遊具へと走り回り、常に動き続けている晴斗君を追いかける。
「ちょっと休憩」
さっきまで晴斗君と二人でヒーローごっこをしていた真夜が、私の座っているベンチへと戻ってきた。隣に腰を下ろすと、背もたれに背を預けて「はぁー」と長く息を吐き出す。
晴斗君扮するヒーローにこてんぱんにやられる悪役にひたすら徹していた真夜はどうやら相当疲れているらしい。
「俺、体力には自信あったけど、最近はデスクワークばかりだったからだいぶ鈍ったな。これくらいでへばるなんて。しばらく忙しくてやめてたけどまたジムにでも通うか」
そうぼやく真夜の視線の先には、ヒーローごっこに飽きたらしい晴斗君が一人で集中して砂場で遊んでいる。