強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「俺たちの子供。男の子か女の子か」

「こ、子供⁉」

突然のその言葉に驚いてつい大きな声をあげてしまった。

私と真夜の子供……。

想像して思わず動揺してしまう。

「実は、明には言ってなかったけど、やんわりと親父に急かされてるんだよな」

「そうなの?」

「俺の子供はシヅキホテルグループの大事な跡取りになるから」

「そ、そっか……」

考えてみればそうだよね。

シヅキホテルグループは同族経営が続いているから、時期社長である真夜の次に後を継ぐのは真夜の子供が当然だと思われている。

真夜と結婚して姿月家に嫁いだのに今の今までそのことに気がつかなかった。

でも、つい昨日ようやく真夜と結ばれたばかりなのに、子供のことまでまだ考えられない。

それに、ずっと片想いしていた真夜と結婚できて、両想いになれただけでも奇跡のようなことなのに。

これ以上の幸せを望んでしまったら、欲張りすぎて何か不幸なことが起こりそうな気がしてしまう……。

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