強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
砂場で遊んでいる晴斗君に声を掛けるけれど、まだ帰りたくないと返されてしまった。そのまま遊び続けている晴斗君のもとへ、私と真夜はそっと近寄る。

「……僕もっと遊びたい」

「でも、そろそろ帰らないとだよ、晴斗君」

「やだ。まだ公園にいる」

そんなやり取りが何回か続いた。

いつもは帰ろうと声を掛けると、すんなり帰ってくれるんだけど。今日はどうしたんだろう。

「帰ろうよ、晴斗君。きっとママも晴斗君がお家に帰るの待ってるよ」

「……待ってないよ」

晴斗君がぼそっと小さな声でそう告げた。

「ママ、僕のことなんて待ってないよ」

「どうしてそう思うの?」

「だって、ママはお腹の赤ちゃんのことだけ大事だから。僕のこと嫌いだから」

そんな晴斗君の言葉に、思わず私と真夜は顔を見合わせてしまった。

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