強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「妹が泣いているときは涙をふいてあげて、つらくて悲しい思いをしているときはそばにいてあげる。どんなときも笑って楽しく幸せでいてもらうために、お兄ちゃんは妹を守るんだ」

晴斗君に向けて話す真夜の言葉に、私は、自分の子供の頃のことを重ねてしまった。


私にとって真夜は、まさに“そういうお兄ちゃん„だった。


私が泣いていたり、つらくて悲しんでいたりすると、真夜はいつもそっとそばに寄り添ってくれた。笑わせて楽しませてくれて、幸せな時間をたくさん私にくれた。


――そうやって、私は真夜に守ってもらっていたんだ。


「わかった! 僕も妹を守る!」

さっきまでのふてくされた顔はどこへ行ったのか、真夜の言葉を聞いた今の晴斗君は、いつの間にかすっきりとした顔つきに変わっている。

< 195 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop