強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
そのあとも、気の早い真夜は、お腹の子の性別はどっちなのか? 名前はどうするか? どちらに似るのか? など、まだだいぶ先のことをしばらく話し続けていた。

真夜の話はまだまだ続きそうだったけれど、このまま私と話し続けていると真夜の身体が休まらない気がして、頃合いを見て病室を後にすることにした。

エントランスを出ると、外はもうほんのりと薄暗くなっている。


寄り道せずに真っ直ぐ自宅へ帰ると、しんと静まるリビングに、突然寂しさが込み上げてきた。

喉が乾いていることを思い出して冷蔵庫を開けると、そこにはたくさんの食材が詰め込まれていて……。

それを見たら無性に泣きたくなった。

本当なら明日は、一週間の海外出張を終えて帰国する予定だった真夜と、久しぶりに一緒に晩ご飯を食べるはずだったのに。

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