強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
たぶん日本食を恋しがっているだろうと思って、明日の晩ご飯は和食を中心に作る予定だった。そのための食材も冷蔵庫に揃えてあったのに。

明日からまたしばらくは、独りぼっちの寂しい晩ご飯になりそうだ。


「はぁ……」


自然とため息がこぼれてしまう。

結局、何も飲むことなく冷蔵庫を閉めると、私はソファへと腰をおろした。


真夜の入院は一週間ほど。

疲労とストレスによる胃潰瘍と診断されたけれど、療養も兼ねて、その間にさらに詳しく検査もすることになっている。


その結果が、何ともなければいいけれど……。


膝に置いた手に自然と力がこもる。

さっき病室で見た真夜は会話もできたし、普段と変わらない様子だった。

でも、さらに詳しい検査の結果、もっと悪い病気が隠れていたら……。

病室で真夜と話をしていたときは感じなかったけれど、一人になると途端に不安が大きくなっていく。

< 213 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop