強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
あの日、東京に雪が降っていなかったら。

スムーズに電車に乗ることができたら。

私は、母の最期の瞬間に間に合うことができたかもしれない。



伝えたいことがたくさんあった。


話したいことがたくさんあった。


もっと一緒にいたかった。



でも、母にはもう会えない。


冷たくなった母の手を握りながら、ベッドに顔を押し当てて、あの日、私はずっと泣いていた――




< 217 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop