強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
‟ずるい手を使って私と結婚をした„

それってどういうことなんだろう……。


今日まで、私と真夜の結婚は、保しなとシヅキホテルグループの業務提携と、父親同士の話が盛り上がって結ばれた結婚だと思っていた。

再会したとき、真夜は私にそう説明したのに。でも、違うのかもしれない。


『真夜君が、明と結婚させてほしいと父さんに頭を下げてきたんだ。……明と、守りたい約束があるとも言っていたな」


さきほどの父の言葉を思い出す。


守りたい約束って何だろう……。


「ああああ。ダメだ。まったく思い出せない」

そのことが焦れったくて、私は髪の毛を両手でくしゃくしゃとかき回す。それから、寝転んでいたベッドから起き上がり、勉強机へと移動するとイスに座った。

約束について思い出すための何か手がかりはないかと、勉強机の引き出しを一つずつ開けていく。けれど、中身はすでにほとんど処分しているので、これといったものは出てこなかった。

けれど……
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