強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
病院を後にすると、玉城の運転で自宅へと到着した。

「ただいま」

玄関の扉を開けると、そこに明の靴はなかった。

リビングへと入っても姿が見当たらない。

今日は日曜で仕事は休みのはずだ。

もしかして出掛けているのか?

今日が俺の退院日だと知っているはずなのに、明のやつどこに行ったんだ。

気になるけれど、とりあえずはソファに腰を下ろして一息つく。この一週間はほとんど病室のベッドで過ごしていたせいか体力がだいぶ落ちているようだ。病院から自宅までの移動だけで疲れてしまった。

少しずつ体力を戻していかないと。

それに、仕事も……。

医者からは、今日から一週間ほど自宅で休むように言われている。その間の遅れを、仕事へ復帰したら早く取り戻さないといけない。

来年の春に、親父からシヅキホテルグループを引き継ぐための準備もまだ途中だ。身体が完全に治ったら、とにかくまた仕事に集中して……

もしかして、この考えがいけなかったのか。

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