強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
元恋人
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大学卒業後、私は都内の化粧品会社へと就職した。
一人娘なので、実家の和食料理屋の手伝いをするべきか悩んだけれど、以前から父には跡を継がなくていいと言われていた。
跡継ぎには父の弟の息子で、私にとってはイトコにあたる三つ歳上の光輝君がすでに決まっていた。
光輝君は、高校卒業してすぐ『保しな』で働くようになり、父の元でコツコツと料理の腕を磨いてきた。
今は、真夜が総支配人を務めているホテル VioIa Luna に先々月オープンしたばかりの『保しな』の支店で店主を任されている。
そういうわけで私は大学卒業後、化粧品会社へと就職して経理部へと配属された。ちなみにこの会社に決めた理由は特になくて、何十社か受けた中で唯一内定を貰えたから。
そんな適当な理由で決めてしまった職場だけれど、それなりに充実して働けているので、真夜と結婚後も続けている。