強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「今日は真夜の誕生日でしょ。だから、仕事から帰ってきた真夜をクラッカーでお迎えして、可愛く飾り付けした部屋に案内して、ご馳走とケーキを出すはずだったのに。一緒に帰ったらそれができない」

なるほど。俺の仕事が予想外に早く終わって迎えに来たから、予定していたサプライズができなくて不機嫌になったのか。

……そういえば、今日は俺の誕生日だったな。

明に言われるまですっかり忘れていた。

それにしても俺のためにそんな計画をこっそりと考えていたなんて可愛いやつだ。その計画が俺の予想外の行動で台無しになってプリプリと怒っているところもまた可愛い。

つい抱きしめたくなる衝動にかられてグッとこらえる。平常心を装いながら言葉を返した。

「そういえば明、昔は俺の誕生日のたびに告白してきたよな。今年は言ってくれないの?」

「何を」

「真夜大好きって」

「わぁぁぁぁ」

恥ずかしいのか明が声を上げながら両手で自分の耳をふさいだ。その仕草がおもしろくてつい笑ってしまう。

「いいから、ケーキ屋さん寄ってよ。もう注文してあるんだから早く取りに行かないと」

「はいはい」

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