強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
ため息の理由
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降り注ぐ日差しがポカポカと暖かい。
千華ちゃんと今日のランチはいつもの社食ではなくて、職場のビルの近くにある公園で取ることにして正解だった。
この公園には、お昼頃になるといつもキッチンカーが何台か来ていて、周辺のオフィスビルで働く社員たちの列ができる。
私たちは、エスニック系の料理を出しているキッチンカーに並んで、ハンバーグと目玉焼きが乗ったロコモコをそれぞれ注文した。
ベンチに座って食べていると、隣の千華ちゃんが不意に私へ視線を向けてくる。
「明さん、何かあったんですか。最近よくため息ついてますけど」
「えっ、そう?」
「はい。仕事中もよくしてますよ。まさか無意識ですか」
自分でも気が付かなかった。そんなにため息吐いてたのかな。
……そうだとしたら原因はあのことしかない。
三日前の真夜の誕生日。
千華ちゃんから聞いたモデルの東雲優愛さんの元恋人が、もしかして真夜なんじゃないかとずっと気になっていた。
迎えに来てくれた真夜に車の中では聞けなくて、ケーキを食べているときに遠回しに去年の誕生日の過ごし方を聞いてみたら彼女と過ごしたと言われた。
その彼女というのが、真夜と同じ歳のモデルで交際期間は三年ほど。
千華ちゃんから教えてもらった優愛さんの情報と同じだった。