強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
ビュッフェ会場のレストランへ向かう途中、同じフロアに先々月にオープンしたばかりの【保しな】の支店の前を通った。

ここから少しだけ中の様子を伺うことができるけれど、ほとんどのテーブルが埋まっていて繁盛しているように見える。

オープンしたばかりの支店の経営が順調そうなことに安心しながら、さらに先へ進むと目的のレストランへと到着した。

そこにはすでにたくさんの人の列ができていて、見たところ女性が多いのかもしれない。


「なんだかワクワクしてきました」

千華ちゃんがきらきらと目を輝かせている様子に思わずクスッと笑ってしまった。そんな私も、実はビュッフェでたくさん食べるために朝食を抜いてきたので、お腹がペコペコだ。


それから私たちは、レストランの入口にいるスタッフさんにチケットを見せてから中へと足を踏み入れた。

案内された窓側の席からは東京湾を一望することができ、遠くにはレインボーブリッジや東京タワーなど都心のビル群を望むことができる。

その開放的な景色に、私はつい見蕩れてしまう。けれど、今の千華ちゃんは景色よりも料理に夢中らしい。

「明さん! さっそく料理を取りに行きましょう!」

張り切った様子でイスから立ち上がるので、そのあとを追いかける。

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