強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「公園行けるの?」

「うん。でもママはここで少し休ませてあげて、お姉ちゃんと公園に行くんだけどいいかな」

「お姉ちゃんと?」

晴斗君がじーっと私を見つめてから、パッと笑顔になった。

「うん、いいよ。一緒に遊ぼう」

晴斗君の小さな手が、私の手をぎゅっと握った。すると志穂さんが慌てたように私に声を掛ける。

「明ちゃん本当にいいの?」

「はい。このあと特に予定ないし、お昼食べすぎちゃったから身体も動かしたいので。志穂さんさえよければ、晴斗君と近くの公園で遊んできますよ」

「そう? 明ちゃんがそう言ってくれるなら、お願いしてもいいかな」

「はい」

志穂さんの言葉に、私は晴斗君の手を握り直した。

「じゃあ行こっか。晴斗君」

「うん! しゅっぱーつ」

晴斗君が張りきった様子で私の手を引きながら、エントランスを目指して歩き出す。

「晴斗。明ちゃんに迷惑かけたらだめだよ」

背中に志穂さんの声を聞きながら、私と晴斗君はホテルを後にした。


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