強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
翌日の日曜は午前から晴斗君と公園で遊んでから、志穂さんが作ってくれたお昼をご馳走になり、午後もまた公園で遊んでから帰宅した。
そうして迎えた週明けの月曜。
前日の晴斗君との公園遊びで疲労した身体を引きずりながら私は職場へと向かった。
すると、珍しく千華ちゃんが私よりも早く出社していて、隣の席でにっこりとした笑顔で私を見つめている。
「明さんおはようございます」
「おはよう千華ちゃん。朝からご機嫌だね」
「分かります?」
うふふふと千華ちゃんがちょっと不気味に笑う。
「実はこれ、見てください」
そう言って千華ちゃんは、左手の甲を私に見えるように出した。その薬指にはキラッと輝いているものがあって……。
「えっ! それってもしかして婚約指輪?」
「うふふふふ。当たりでーす!」
嬉しそうに千華ちゃんが笑っている。
「実は、おととい彼氏にプロポーズされたんです」
「おととい⁉ その日って一緒にビュッフェに行った日だよね」
「はい。そのあと彼氏が車で迎えに来てくれたので、ぶらぶら買い物したあとスーパーに寄って家に帰ったんです。それで一緒に晩ご飯を作って食べたあと、まさかのプロポーズされました。ぜんぜんロマンチックじゃなかったけど、私嬉しくて泣いちゃいました。あれはもう完全に不意打ちを食らっちゃいましたね」
そのときのことを思い出しているのか、千華ちゃんの瞳がうるっとしている。よっぽど嬉しかったのだろう。