強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「うっ……」
カーテンの隙間から差し込む光が眩しくて、閉じていた目をそっと開ける。
とても懐かしくて、切ない夢を見ていたような気がする。その余韻のせいなのか、まだ胸が少し苦しい。
そっと手で目元を触れるとうっすらと湿っていた。
もしかして、寝ながら泣いてた?
ごしごしと目元を拭いてから、ヘッドボードに置いてある目覚まし時計を見る。すると、時刻は朝の八時を指していて……。
「って、え⁉ 八時!!」
寝坊した。
慌てて飛び起きようとしたけれど、そういえば今日は土曜日で仕事は休みだと思い出す。それならまだゆっくり寝ていよう。と、思ったのだけれど。
「……ん? なんか苦しい……」
そこで、ようやく違和感に気が付いた。
横向きに寝ている私の腰に回された腕の存在と、背中にぴったりと張り付いている何か……。
そうっと首だけで後ろを振り返ると、そこにはすやすやと気持ちよく眠っている真夜の姿があって、背後から私をぎゅっと抱き締めている。
しかもよく見ると、上半身は服を着ていない。またシャワーを浴びてすぐに寝たらしい。しかも自分の部屋のベッドじゃなくて、私の部屋のベッドで。
どうして?
というか、真夜いつ帰ってきたの?