強引な政略結婚が甘い理由～御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない～

日本へ帰国するのは今日の夕方のはずだ。それなのにすでに帰宅しているし、なぜか私の部屋のベッドで一緒に眠っている。

この状態の理由は分からないけれど、気持ち良く眠っている真夜を見ていると、起こすのがかわいそうになってしまう。

どうしよう……。

考えていると、私のお腹に回されている真夜の腕の力が強まった。


「……明」


不意に私の名前を呼んだ真夜にぎゅっと抱き寄せられ、さらに身体が密着する。

一瞬、目を覚ましたのかと思ったけれど、真夜の瞳は閉じたまま。微かに寝息が聞こえてくる。

そのキレイな寝顔と、密着した身体から伝わる真夜の熱に、私の胸の鼓動が自然と早くなる。

今すぐにでも離れたい。けれど、私のお腹に回っている真夜の腕に再び力が込もった。


「く、苦しい……」


耐えられず声が漏れてしまう。

けれど腕の力は抜けなくて、ぎゅうっとさらに強い力で抱き締められてしまった。

私はもう限界に近くて、このままでは口から何かが飛び出てきそうだ。