会長候補はSweets☆王子!?
「おやおや! まあまあ!!」

 涼香ちゃんは、ポケットからICレコーダーを出してスイッチを片手でオンにすると、真顔の林君にちょっとたじろぎながらも、集音マイクを近付けて


「なれそめは?」と空気読まない質問をかましてくれます。


「……図書室で、池永君、いや、池永にちょっかい出されて泣いてた真希ちゃんの話を聞いてあげた時からだ」

 そう表情を変えずに答えた林君は、


「池永隼人、君は恥ずかしくないのか?
 自分の思慮のない言動で、真希ちゃんを始め、どれほどの女子生徒を泣かせて来たのか? 全く考えたこともないんだろ」


 さっきの大内君は、池永君と同じクラスということもあってか、口は悪かったけど今の林君のような『敵意』は感じられませんでした。

 しかし、林君はあたしのことを思って、あたしの為に『敵意』の矢を池永君に向けているのです。
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