会長候補はSweets☆王子!?
「おいおい。俺は別にゼニカネのこと言ってるんじゃないの!
 第一、その弁償代だって、チーマキちゃんや林君の親から出るんだろーが。
 そこまでして、スマホをどうこうしてもらわなくてもいいんだよ」

「じゃあ、どうして欲しいんだ?」


 林君の睨むような目付きに、ちょっとはバツが悪くなったのか、池永君は

「弱味につけ込むような言い方したのは、俺も悪かったよ。
 それに、あんた達が付き合ってるなんて知らなかったしさ。
……俺が、チーマキちゃんを推薦人にしたいのは、打算とかそういうんじゃなく、単純に『香りが好き』なだけなんだよ」


(ん? また、訳の分からないことを)


「池永君、アンタはフェチなのか? 香りフェチなのか?」

「もしかしたら、そうかも知れない。
 俺さー、男子のくせにスイーツが好きなんだよね。和洋問わず」 

「「それが、何か?」」あたしと林君は同時に問い掛けます。

「うん。特に、甘くてふんわりしたバニラ・エッセンスの香りかぐと、心が落ち着くし、それでいて力がみなぎるような気がしないでもないんだ」

「いや、気のせいだろ?」林君は鼻で笑います。


 一方、あたしは鼻で愛用の香水『SWEET LIPS(スウィート・リップス)』のバニラ・エッセンスをモチーフにした、香り成分をくんくんとチェックします。


 首すじ、胸元、手首の両サイド……
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