会長候補はSweets☆王子!?
「大内君、池永君は君のこと、好きなんじゃないかな?」


 追憶の中に沈んでいた俺を、塚本さんは現実に戻してしまう。

「気持ち悪いこと、言わないで下さいよ! 何が悲しくて、あんなヤツに好かれなくちゃいけないんですか!?」

「だってさ、最初に生徒会室にやって来た時も、池永君はあなたのお説教をしっかりと聞いてたじゃん?
 何かとまとわり付くのは、やっぱし大内君をお気に入りだからだよ!」


 んなアホな……冗談じゃない!


「さっき言った『今が楽しい』ってこと、私はすっごく素敵なことだと思うよ。

 今があって、明日とか未来、将来の夢があるってことでしょ?
『あんなことやってみたい』とか『将来は、白い白馬に乗ったイケメン王子様と燃え上がるような恋したい!』とかさ」


「白い・白馬で重複語になってますよ。
 あの、塚本さんは今、誰か好きな人でもいるんですか?」

「ナイショッ!!」


 オレンジ色の5枚の花びら越しに、彼女の明るい笑顔が映えている。
 確かこの花は……ノウゼンカズラとか言ったっけ。
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