会長候補はSweets☆王子!?
「おいおい、そんなにベソかきそうな顔すんなよ」

「泣いてませんっ!」

「泣きそうだぞ?」

「だから、泣いてないって、泣いてないって泣いて……あれれ?」


 自分の机に伏せると、あたしはしゃくり上げてしまいました。

 泣き顔を、こんなヤツに見られるなんて、すっごく悔しかったから。


「チーマキちゃん、ごめんな」

 池永君は、今まで聞いたことがないくらいに優しい声で、あたしの耳元に囁くと、頭を優しく撫でます。

……彼氏でも、ましてや友達でもない男子に頭を触れられるなんて、ちょっと前のあたしだったらすぐさま拒否反応示してたはずだけど、説明不可能な安心感で、同時に混乱してもいました。


「今まで……ヒクッ! 一体、何人の……ウッ! 女の子を……エグッ!
 泣かせて来たのよ~!!」

 恨み節のひとつふたつも言いたくなります。
 その間も、池永君の大きな手のひらは、あたしの頭から小刻みに震える背中までゆっくりと、優しく撫でています。

(あれ? どうしてだろう?)
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