会長候補はSweets☆王子!?
 池永君の手のひらが、なぜかささくれだっているように感じられました。

 水仕事や家事をする主婦みたいな、そんなお手手です。


「……泣かせた女の子は、チーマキちゃんだけだよ」


「なーに、言ってんだか」

 涼香ちゃんは、あたしと池永君の奇妙極まりないツーショットに、愛用のクロスコンカメラを構えますが


「永末記者、ジョーショーケンの侵害だぞ」と言って、池永君は制しました。


「ヒクッ……『肖像権の侵害』! 分からないなら、軽々しく難しい言葉使わないの!!」

「てへっ、ゴメンゴメン。ちょっとくらいはおりこうさんに見えるかなあ~?
 とか思ったから」

「余計おバカに見えるって!!」


 あたしのツッコミがツボに入ったらしく、涼香ちゃんがケラケラ笑います。


 いや


『あたしのツッコミがツボったっぽくて、涼香ちゃんがケラケラ笑ってた』


 今までの自分を、いきなり変えるのはムズイことだけど、ちょっとずつでも変わって行きたいと思った。

 その第一歩の日。
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