会長候補はSweets☆王子!?
「で、士堂君。あなたは私の生徒会長選挙、本当に手伝ってくれるの?」


「うん。まあ、何か面白そうだし。静也の彼女さんなら、いいんじゃね?」


「「幼なじみ」」と静也と姫子さんが声を合わせた。


……しかし、よりにもよって学校から離れ過ぎじゃね? ここ。

 今、俺たちがいる場所は、北九州市小倉南区平尾台にある『平尾台自然わくわくセンター』の研修展示室だ。

 事前に申し込みしとくと、北九州市民なら一定期間格安で利用出来る、結構広々とした会議室兼レクリエーション施設。


 真ん中に大きなテーブルが置いてあって、室内には動植物や平尾台カルスト台地とハイキングコースのジオラマ模型。あとは、手作りの陶器のカップやらお皿やらがショーケースに入って、ズラッと並べられてる。


「士堂、そこにある湯呑茶碗、俺が小学校の時に作った自信作なんだぞ」


 静也が得意気に、赤い花柄の焼き物を指差して教えてくれる。


「へー。お前って昔から器用だったんだなあ」

「まあな」素直に照れる総長。喜ぶ時もバカ正直なヤツだ。
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