会長候補はSweets☆王子!?
「池永君……あたしのサイン、カーボン複写こっそり取って、偽造したでしょ!?」

「バレた? てへっ!」

「『てへっ!』じゃないし、ちーっとも可愛くないから!!
 やめてよー! あなたは、おバカさんなのにどうしてこういう悪知恵だけは働くのよ!」


 信じらんない。もうおしまいだー! 
『池永隼人候補の推薦人』として、あたしの名前は全校生徒に知れ渡ってしまったんだー!!

 頭を抱え、その場にどよーんと沈み込むあたし。

「人間、何事も諦めが肝心だよっ!」と涼香ちゃんの慰めの言葉。

「そうだぞ?『住めば都』って言うじゃんか!」

 まるで、自分自身が『欠陥住宅』だという自覚のない池永君。とびっきりのスマイルで、あたしの肩をポンポン叩いてくる。

(今度は、その頭ぶっ叩いてもいいかしら!?) 


「んー? チーマキちゃん、どうした?
 遂に夢の生徒会長選挙がスタートして、夢心地ってとこかな」

 高らかに笑う池永候補。


「夢は夢でも、悪夢だってーーーーー!!」

 あたしは涙すら出て来なくなっちゃたよぉ~
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