会長候補はSweets☆王子!?
「ああ! 俺も今、矢田部さんと同じ気分だ!!」
いきなり大内君が立ち上がって、苦々しげに言うと、ニコニコしている池永君をキッと睨み付けた。
「……前会長の、塚本亜美菜さんから『頼みごとがある』と告げられたから、仕方なく引き受けることにしたが、俺にとっても今回の仕事は悪夢だよ!」
そう吐き捨てるように言うと
「どうして、俺がお前の……池永なんかの『選挙アドバイザー』を担当しなくちゃならないんだよ!?」
頭を掻きむしりながら、呻くようにブツブツ呟いてる。
「え? 亜美ねえ、いえ塚本前会長の依頼なんですか?」
西村姫子さんは、状況がよく飲み込めなかったみたい。
「ああ。君たち西村陣営は、候補者自身が塚本さんと個人的に親しいから、今回の選挙戦がフェアになるようにってことで、対立するコイツの……池永陣営を俺が担当することになったんだよ」
大内君の語尾は、ほとんどかすれて聞こえなくなってた。
◆ ◆ ◆
『ねえ、大内君。亜美菜からのお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?』
『……何でしょうか?』
石畳の上を、芙蓉(フヨウ)のアーチ型トンネルが取り囲む。
『池永君陣営の選挙アドバイザー兼選挙プランナー、大内君がやってくれる?』
『はい?』『わーい! ありがと』
俺の疑問形の「はい?」を同意の「はい」と思い込んだ塚本さん。
『け、結構です!!』という遠慮と否定の言葉も
『結構です(はぁと)』としか聞こえてなかったようだった。
『大内君は、将来政治家になる為にいーっぱい勉強してるんだもんね。
だから、姫と対等に選挙戦するには、池永君みたいに勢いだけの心細いカンジの男の子は、あなたくらいの『デキる』人が助けてくれないと。
ねっ? そうでしょ?』
俺、大内啓二はガツンとこの時断りきれなかったんだ……
いきなり大内君が立ち上がって、苦々しげに言うと、ニコニコしている池永君をキッと睨み付けた。
「……前会長の、塚本亜美菜さんから『頼みごとがある』と告げられたから、仕方なく引き受けることにしたが、俺にとっても今回の仕事は悪夢だよ!」
そう吐き捨てるように言うと
「どうして、俺がお前の……池永なんかの『選挙アドバイザー』を担当しなくちゃならないんだよ!?」
頭を掻きむしりながら、呻くようにブツブツ呟いてる。
「え? 亜美ねえ、いえ塚本前会長の依頼なんですか?」
西村姫子さんは、状況がよく飲み込めなかったみたい。
「ああ。君たち西村陣営は、候補者自身が塚本さんと個人的に親しいから、今回の選挙戦がフェアになるようにってことで、対立するコイツの……池永陣営を俺が担当することになったんだよ」
大内君の語尾は、ほとんどかすれて聞こえなくなってた。
◆ ◆ ◆
『ねえ、大内君。亜美菜からのお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?』
『……何でしょうか?』
石畳の上を、芙蓉(フヨウ)のアーチ型トンネルが取り囲む。
『池永君陣営の選挙アドバイザー兼選挙プランナー、大内君がやってくれる?』
『はい?』『わーい! ありがと』
俺の疑問形の「はい?」を同意の「はい」と思い込んだ塚本さん。
『け、結構です!!』という遠慮と否定の言葉も
『結構です(はぁと)』としか聞こえてなかったようだった。
『大内君は、将来政治家になる為にいーっぱい勉強してるんだもんね。
だから、姫と対等に選挙戦するには、池永君みたいに勢いだけの心細いカンジの男の子は、あなたくらいの『デキる』人が助けてくれないと。
ねっ? そうでしょ?』
俺、大内啓二はガツンとこの時断りきれなかったんだ……