会長候補はSweets☆王子!?
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【平尾台自然わくわくセンター・西村姫子陣営】



「お疲れ様。遅れてごめんなさい。今日は向こうの自然体験工房で、ボランティアのお手伝いしてたから」

「いや、ま、それはいいんだけどさ……静也は?」


 俺、士堂芳夫は、センターの壁に架かっている木製のアコースティックギターに触れながら、西村姫子さんの方を見た。

「静也も一緒だったの。
 今、竹とんぼと独楽(こま)作りの後片付けしてるから、もうすぐこっちに来ると思うわ」

「了解」


……俺にはよく分からなかったけど、姫子さんも静也も、ここに来るとまず最初に工房で幼稚園から小学校低学年の子供たち相手に、木や竹で作るおもちゃの工作を教えている。
 俺は小さな子供とどう接したらいいのか分からないで、いつもボーッとしてそれを見ている。

 昨日、2歳くらいの女の子が

『ハリネズミしゃん、ハリネズミしゃんがあたまにおるよー』

 そう言って、俺のカチカチに固めた髪を指差していた。


 最初、俺は本当に自分の頭にハリネズミが乗っかっているものだと信じて疑わなかった。違っててホッとした。 
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