会長候補はSweets☆王子!?
「あの、ここはどこですか?」

「倉庫だよ。倉庫! ホラ、大量のコンテナと箱が置いてあるだろ!?」


 急に荒っぽい口調で、あたしを責め立てる早坂氏。

「あなたは【RED】なんですか!? あたしの父に爆弾を送り付けた犯人なんですか!?」

「ま、平たく言えばそーなるわな。だがな、アンタも【RED】だよ」

「は?」

「アンタの情報は、ぜーんぶ西村陣営に……いや、西村陣営を通じて俺に筒抜けだってことだ。ヒヒヒ!!」

(何、この人? 気味悪い!! キモイ!!)


 その時、ふと見上げたダンボール箱の一つを見て、あたしは硬直してしまった。

 まるで、全身が石になってしまったみたいに動けない。


「あ、やっと気付いた? 遅すぎるよアンタ」


 早坂氏の声色が変わった。あたしは、この人を知っている。
 いや、知っているどころじゃない!


「こ、これ……このダンボール箱に書いてあるのって、もしかして?」

「そうだよ!! アンタ、俺に『いっぱい嘘ついたろ!?』
 なあ、真希ちゃん?」



【赤に注意・あかに注意・RED=赤】

(早坂、ハヤサカ、HAYASAKA-【AKA】=HAYAS……!?)



「林君!! どうして!?」


 あたしの目の前で、早坂氏は長髪のウィッグと黒縁メガネを外し、あたしがよく知ってる大好きな、林浩光君になった。


「真希ちゃん、僕だよ。林だよ。
 君にプレゼントしたネックレス、あれ盗聴器になってたの。
 気付かなかったでしょ?」

 そう言って、いつもと変わらない爽やかな笑顔でウインク。 
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