会長候補はSweets☆王子!?
「ああっ!? お前、ふざけんなよっ!!
 俺はな、お前らみたいな正論ぬかして、綺麗事言って世間から誉められてる連中見ると、虫唾が走るんだよっ!!

……西村姫子とか言ったっけ? あいつらの育った施設は、俺たちの組織の息が掛かった電子部品メーカーが、何年も前から土地買収を仕掛けてて上手く行かなかった場所なんだよ。
 池永も、西村も、みんなまとめて潰したら、後は俺が頂く。

『漁夫の利』ってヤツを実行したまでだろうがよ!!」


 あたしは震えていた。悲しさとか怒りとか、そういうのとは違う。
 自分の狭い視野の中の価値観が、あっという間に覆ってしまう恐怖に。


 一緒に行った小倉城のデート、3月になったら見に行こうって約束した桜まつり。
 あたしが辛い時に、そばにいて支えてくれた優しい人。

 全部幻想だったなんて。
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