会長候補はSweets☆王子!?
 バチーン!! 空気を切り裂くような音と共に、池永君と林君両方が弾き飛ばされた。

 バックハンドを虚空で止めたアドルフォさんと、右頬を押さえる池永君。

「隼人君! 君の手はお菓子を作る為の手です!!
 誰かを憎しみに任せて殴る為の手ではない!!」

「アドちゃん先生……?」


 あたしは、呆然としていたが「さあ! 早く!!」という大内君と士堂君に急かされ、倉庫の出入り口まで避難させられた。


「ハハハッ!! スキあり!!」林君は高笑いと共に、拳銃を拾うと再び構える。


「おいっ! 林っ!!」池永君が凄む。そして、撃鉄を両手で押さえ込み発射させまいとするアドルフォさん。

「……お前の会社の小麦粉。確か、農薬が基準値以上だったよな?
 俺のバイト先では絶対に使わねえよ」

「な、何だと?」


「それと、もう一つだけ言っておく。
 俺前に、ここにいるアドちゃん先生から教えられたことがあったんだ。

『小麦粉をかくはんしてる時は、絶対に近くで火を使うな』ってさ」


「そう。林浩光、意味が分かりますか?」


(!?)
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