会長候補はSweets☆王子!?
◆ ◆ ◆


 大内君は、あたしと池永君を連れて、南棟の4階から5階へと階段を昇って行く。


「……やっぱり、何か気にならない?」

「ええと、特に」とあたし。

「ちょっとカンジ悪いな。この辺り」池永君が踊り場付近を見回す。


(一体、大内君は何を始める気なんだろ?)

 あたしと池永君が見守る中、大内君はポケットからビー玉を一個出すと、それを廊下にそっと置いた。


「えっ!?」「あっ!!」


 有り得ない現象が起こっていた。あたし達三人の目の前で、『廊下に静かに置かれただけのビー玉が、勢いよく前方向に進み出した』!


 これって、まさか?


「おい、どういうことよ? 大内ちゃん」

「ハッキリ言うと、このエリアは少なくとも15度傾いている。
 欠陥建築どころの話じゃない!!」

「えっ!? それはつまり?」


「ウチの学校は、小倉塚第二高校は全体的に斜めに傾いているんだ!」
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