会長候補はSweets☆王子!?
第2章 恋に恋するお嬢様
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「矢田部さん。どうかしたの?」
「え、えっ?」
あたしは、目の前であたしのことを不思議そうに見ている林君にも気付かず、ボーッとしながら、今現在自分が置かれている【極めて不利な状況】に心を奪われていたのでした。
(どうしよう……池永君に言い寄られてるなんて、林君に話してもいいのかな?
でも、そんなこと相談したら、林君きっとあたしに愛想尽かしちゃうよ)
「矢田部さん、何か悩み事でもあるんじゃないの?
例えば」
林君はそう言うと、カプチーノを一口飲んで、チラッとカフェの窓越しに見える紫川の流れに視線をやってから、あたしに向き直ります。
「池永隼人からまた何か嫌がらせされたんじゃないの?」
あたしはドキッとして、林君の眼差しに射すくめられてしまいます。
「ビンゴだね」
優しそうな顔で、林君は畳み掛けるように言いました。
「……は、はい。もうあたし、どうしたらいいのか」
思わず目が潤みそうになります。
「矢田部さん。どうかしたの?」
「え、えっ?」
あたしは、目の前であたしのことを不思議そうに見ている林君にも気付かず、ボーッとしながら、今現在自分が置かれている【極めて不利な状況】に心を奪われていたのでした。
(どうしよう……池永君に言い寄られてるなんて、林君に話してもいいのかな?
でも、そんなこと相談したら、林君きっとあたしに愛想尽かしちゃうよ)
「矢田部さん、何か悩み事でもあるんじゃないの?
例えば」
林君はそう言うと、カプチーノを一口飲んで、チラッとカフェの窓越しに見える紫川の流れに視線をやってから、あたしに向き直ります。
「池永隼人からまた何か嫌がらせされたんじゃないの?」
あたしはドキッとして、林君の眼差しに射すくめられてしまいます。
「ビンゴだね」
優しそうな顔で、林君は畳み掛けるように言いました。
「……は、はい。もうあたし、どうしたらいいのか」
思わず目が潤みそうになります。