会長候補はSweets☆王子!?
 ◆ ◆


「チーマキちゃん、俺の推薦人になってくれ!!」


 池永隼人君は、さも当然のようにあたしにそう言ったのです。


「推薦人ですか?」

「そう。今度の生徒会長選挙に立候補するんだけど、必ず誰か最低でも一人推薦人が必要なんだよね」

「立候補? どなたが?」

「決まってるじゃん。俺、俺。俺!」


 あたしには、その『俺、俺、俺』の連呼が、あたかも振り込め詐欺の口調にしか聞こえませんでした。
 うさんくささという点では、同じだと思います。


「い、池永君が、生徒会長選挙に……立候補されるんですか?」

 あたしは、悪いジョークでも聞かされたかのように、思わずご本人を前にして問い質します。

「もっちー! 俺、生徒会長になりてえもん!!」


 涼香ちゃんが「あら! まあ!!」と口を覆ってオーバーリアクション。

 周囲であたし達のやり取りを見ていたクラスメートの皆さんも、更にざわついています。困惑と興奮が入り混じった、まさに混沌とした雰囲気。
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