四季〜巡る時を、君の隣で〜
「怒ってないよ。ほら、ギュッてしよう」

あたしを秋斗は抱きしめる。その手つきさえ優しい。まるでガラス細工に触れるような手つきだ。

「まあ、いつもモヤッとはするけど本気では怒ってないよ。ただいじめたくなったというか……」

「何それ!あたし、怒らせたってビクビクしてたのに……!!」

ごめん、と言われてふわりと唇に柔らかな感触。あたしは、この優しいキスが大好きだ。

ココアを飲んだせいか、普段より甘くなった唇をあたしたちは何度も重ねた。




< 17 / 23 >

この作品をシェア

pagetop