四季〜巡る時を、君の隣で〜
「ごめんね、結婚式も新婚旅行も今までお預けになっちゃって」

謝る冬樹くんに、「いいの!とっても嬉しい!」と私は言い、そっとキスを落とす。何度も唇を重ねたけど、明日のキスは特別なものになるんだろうな……。

「チェコでいっぱいわがまま言っていいよ」

「本当!?なら、ずっと手をつないでいてほしいな」

「それくらいなら、今だってできるよ」

ギュッと冬樹くんに手を包まれる。冬樹くんの手は大きくて、とても安心する。寒い時にはこうして手をつなげることが嬉しい。

ふわりと抱き寄せられ、私は冬樹くんの腕の中に閉じ込められる。優しくて、温かい。まるで逃げられない檻だ。私を優しく捕らえて離さない。

「……愛してる」

冬樹くんに言われ、私も胸を高鳴らせながら「私も、愛しています」と微笑みながら言う。

互いに唇を近づけ、また唇が重なった。



そして、結婚式の日。私はドキドキしながら生まれて初めてのウエディングドレスに着替える。選んだのは、 Aラインのドレス。シンプルで上品なデザインに一目ぼれして選んだ。

「あ、イヤリング忘れてる……」
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