四季〜巡る時を、君の隣で〜

「……やっぱり、綺麗だな」

春希くんと、何度も見てきたこの花は飽きることなく見つめられる。二人でこれからも桜を見れたらいいな……。

ブラブラ街を歩き、気になったお店に入ったりするうちにお昼になった。私はカフェに入り、オムレツとコーヒーを注文する。その時、カフェの前に見慣れない花屋さんがあることに気付いた。

「あの花屋さん、最近できたんですよ」

従業員の人が教えてくれて、私は「そうなんですね」と花屋さんを見つめる。綺麗な花がたくさん並べられていて、桜とはまた違った華やかさだ。

「行ってみようかな」

私はオムレツを食べながら、ポツリと言った。



カフェから出た後、私はすぐに花屋さんに向かう。花は大好き。見ているだけで心が落ち着く。それに綺麗だから。

「いらっしゃいませ」

花を見ていると、エプロンをつけた店員さんに声をかけられた。私は会釈をし、また花を見つめる。

「最近、ネモフィラや芝桜が新しく入ったんです」