四季〜巡る時を、君の隣で〜
私は友達から借りたイヤリングを耳につける。サムシングフォーというものを冬樹くんから教えてもらったんだ。

「結婚式では、何か一つ古いもの、何か一つ新しいもの、何か一つ借りたもの、何か一つ青いものを花嫁が身につけると幸せになるんだって」

結婚式をしようという話をした時、冬樹くんがそう言い私の友達から借りてきてくれたイヤリングを渡してくれた。

お母さんから借りたネックレス、新しく買った靴、友達から借りたイヤリング、足に巻かれた青いガーターベルト……。幸せな花嫁になれるかな?

「冬花ちゃん、入っていい?」

「はい」

タキシードを着た冬樹くんは、やっぱりかっこいい。この人と、これから先も歩いていく。胸が高鳴って、もう夫婦なのに幸せになる。

「……とっても、綺麗だね。綺麗すぎて見つめられない」

そう言いながら赤い顔を隠す冬樹くんに、私は思わず笑ってしまった。そして「冬樹くん、かっこいい」と何度も言う。冬樹くんは何も言えずに体を震わせている。
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