四季〜巡る時を、君の隣で〜
やっと前を向けた時、春希くんの顔は真っ赤だった。そして花たちを愛おしげに眺める。

「この花束、一生の宝物だね」

「いっ、一生は大げさだよ!」

じゃあお返しということで、と春希くんは私に渡した花束の花言葉を教えてくれた。

「カランコエの花言葉は、「幸福を告げる」、「たくさんの小さな思い出」、「あなたを守る」、「おおらかな心」。カリンの花言葉は、「唯一の恋」。カーネーションの花言葉は、「無垢で深い愛」。ラナンキュラスの花言葉は、「とても魅力的」。……僕も、愛してる」

春希くんに花束を渡した時も、顔が赤くなる。熱くてたまらない。言葉に出せないほど、今、私ーーー。

春希くんが花束を置き、私に近づいてくる。そして唇が優しく重ねられた。

花束をプレゼントするのも、悪くないかもしれない。唇を重ね、私たちは幸せと愛を噛み締める。

「愛してるよ、ずっと」

唇が離れた刹那、言葉がハモる。私たちはまた同時に笑った。
< 6 / 23 >

この作品をシェア

pagetop