ストロベリーキャンドル
「申し訳ない。奏音が君を傷付けてしまったこと、俺からも詫びるよ。
こうなったのは全部俺のせいだ。本当にすまない」
「じ、仁……」
「あなたに謝られても困ります。
ただ、あなたは奏音をずっと捕まえて離さないでください。
放っておくと、また何をするか分からないもの」
「勿論、そのつもりさ」
頭を上げた仁は、ふふっと微笑む。
満足したのか、七海は葛城さんの腕を引いて、
「行きましょ」と部屋を出て行った。
七海と葛城さんの話し声が遠くなっていく。
私の体は力が抜けて、ずるりとその場にへたり込んだ。
2人きりになってしばらくすると、
仁は私の服を整えてくれた。
何も言えず、ただ涙が溢れた。
仁はそっと涙を拭ってくれる。
それでも溢れてくる涙は止められなかった。
「泣くな。よく、頑張ったね」
「ふっ……っく、ど、どうし、て……
優しく、する……の?」
「俺はさ、全部知ってたんだよ」
「えっ?」
仁が申し訳なさそうに微笑む。
一瞬呼吸が止まったみたいだった。
仁を見つめると、彼は話し出した。