ストロベリーキャンドル
不倫の天罰
*
私が結婚を申し込まれた日、
七海は部長に事の顛末を全て話してしまった。
当然、私は好奇の目にさらされ、
責任を取って追われるように退職せざるを得なかった。
でも、仁はそんな形で私が辞めるのは腑に落ちないと言って、
なんと結婚の発表をして、寿退社として私を送り出した。
少しでも私の気が楽になるようにという、彼の気遣いだった。
それでも当然、私を祝福してくれる人は少なく、
どうしても気まずくはなったけれど、私はそれでもよかった。
自分のしたことは悔い改めなくては。
それに仁がいてくれたら、何も不安なんかなかった。
結婚式には、会社の人は勿論出席しなかった。
だからお互いの近しい友人と親族だけの、
ささやかな式になった。
彼は私にそのことを謝ってくれたけれど、
私のせいだから何も言えない。
むしろ彼の方に申し訳ないと思って謝ったら、
それは気にしなくていいと言ってくれた。
「モリノ」の美奈さんにも報告して、祝ってもらった。
結婚から新婚旅行、
引っ越しと、全てが順調に進んでいった。