新妻はエリート外科医に愛されまくり
「まずは、期待できる効果と、副作用の説明を聞いていただいてからです」


続いたドクターの説明は、医療用語の英語がわからず、メグさんの通訳頼り。
もともと、身体が疑似妊娠状態に陥るホルモンを抑えることで、生理不順が解消される。
より安定した周期に戻り、正確な排卵日の特定も可能だそうだ。
「そうなれば、タイミング療法の成功率も上がります」と言った後、ドクターは副作用の説明に入った。


「よく報告されているのは、吐き気、眩暈、強い眠気などです。服用期間中は、車の運転は禁止です。また、もしかしたら、生理回数が増える可能性もあります」


『副作用』は、怯むほどではなかった。
言われた症状なら、他のどの薬でも、説明書に書かれているもの。
車は運転できないし、私にはなんの問題もない。
私の意思に変化はなく、同意書にサインして、毎週同じ曜日の就寝前に一錠飲むだけでいい薬を、一ヵ月分処方してもらった。


内服は、一週間に一度。
飲むのを忘れないように、カレンダーに丸をつけ、早速その日の夜から内服開始。
オペの予定を書き込もうとした颯斗が、毎週同じ曜日の丸印を見て、『なに? これ』と怪訝そうな顔をしたけれど――。


昨夜、二回目の内服をした。
そして、今日は朝から語学学校の日。
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