新妻はエリート外科医に愛されまくり
颯斗が私を抱え上げ、目の前にあった外来棟に運び込んでくれた。
「貧血……でしょうか。特に身体症状は認められませんが、一応、点滴打っておきますか?」
診療時間外で診察に当たってくれた内科医の前に、メグさんがサッと足を踏み出した。
「いえ。ええと……ハヤト、レイも。ちょっと出ていてくれる?」
彼女が、男二人に退室を促した理由は、もちろん、私が不妊治療薬を内服しているのを知っているからだろう。
不審げにこちらを見遣る颯斗が出ていくのを見送って、肩を動かして息をする。
狭い診察室で三人になると、メグさんは流暢な英語で内科医に切り出した。
私も、必死に聞き拾う。
もちろん、想像した通りだ。
彼女は、私が内科医に言えなかった内服中の薬について話した上で、この症状が副作用ではないか、と訊ねてくれたのだ。
内科医は、眉間に皺を寄せて、一度だけ頷いた。
「私は産婦人科の治療には明るくないですが、カガミさんが内服されているのは、確かに強い薬です。たとえば、実際の身体状況に比べて服用量が多いとなれば、副作用の方が強く現れてしまう。薬によるメリットを、デメリットが越えます」
それを聞いて、私はグッと唇を噛んだ。
今、私は、一番低容量で処方されている。
さらに減らして飲むべきなのか、それとも内服自体を中断すべきなのか。
だけど、せっかく始まった治療なのに。
これをやめたら、私は――。
「貧血……でしょうか。特に身体症状は認められませんが、一応、点滴打っておきますか?」
診療時間外で診察に当たってくれた内科医の前に、メグさんがサッと足を踏み出した。
「いえ。ええと……ハヤト、レイも。ちょっと出ていてくれる?」
彼女が、男二人に退室を促した理由は、もちろん、私が不妊治療薬を内服しているのを知っているからだろう。
不審げにこちらを見遣る颯斗が出ていくのを見送って、肩を動かして息をする。
狭い診察室で三人になると、メグさんは流暢な英語で内科医に切り出した。
私も、必死に聞き拾う。
もちろん、想像した通りだ。
彼女は、私が内科医に言えなかった内服中の薬について話した上で、この症状が副作用ではないか、と訊ねてくれたのだ。
内科医は、眉間に皺を寄せて、一度だけ頷いた。
「私は産婦人科の治療には明るくないですが、カガミさんが内服されているのは、確かに強い薬です。たとえば、実際の身体状況に比べて服用量が多いとなれば、副作用の方が強く現れてしまう。薬によるメリットを、デメリットが越えます」
それを聞いて、私はグッと唇を噛んだ。
今、私は、一番低容量で処方されている。
さらに減らして飲むべきなのか、それとも内服自体を中断すべきなのか。
だけど、せっかく始まった治療なのに。
これをやめたら、私は――。