新妻はエリート外科医に愛されまくり
翌日、私は語学学校を休んで、レディースクリニックに駆け込んだ。
突然のことで、予約が取れなかった。
ジリジリしながら順番を待つ。
二時間近く経って、ようやく名前を呼ばれた。


診察室で向き合うや否や、私は息を切らす勢いで、副作用の報告をした。
ドクターは、神妙な顔で頷いた後――。


「薬を半錠にして、継続してみましょう。ただ、副作用は軽減できるかと思いますが、効果の方も薄れることをご承知おきください」


私が予想していた通り、内服量の変更を決めた。


重い気分でクリニックを出た時には、もうお昼をとっくに回っていた。
頭の中で、いろんな感情や思考がグルグルしている。


アメリカの薬だから、日本人の私には効き目が強すぎるんじゃないか、とか。
日本だったら、もっと他に、日本人に合った治療法があるんじゃないか、とか。
いや、アメリカでも、私の語学力が上達すれば、ちゃんと理解を深めた上で、立ち向かえるんじゃないか、とか……。


――そうだ、学校。
私は、腕時計に目を落とした。
今から行けば、最後の授業には間に合う。
だけど、塞いだ心が邪魔をする。
学校に行くための電車の駅に、足が向かない……。
結局私は、家に戻る電車に乗った。
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