新妻はエリート外科医に愛されまくり
私の顔の向きを無理やり固定して、強引に唇を重ねてくる。


「ん、っ……!」

「俺がどんなに君を愛しているか。どうして君はわからない!?」


角度を変えながら、何度も何度も冷たいキスを繰り返す。


「君に、アメリカに行ってきてと言われた時、俺がどんな思いだったか」


颯斗はか細い吐息を漏らし、私の頭の後ろでギュッと髪を掴んで、肩に額を預けた。


「空港に君が追いかけて来てくれた時、どんなに嬉しかったか……。それがどうしてわからない!?」


鼓膜に直接刻み込まれる悲痛な想いに、私は心をぎゅっと鷲掴みにされた。


「あ……」


無意識に、彼の両腕に手をかける。


「葉月、俺は」


颯斗が、肩を震わせた。


「子供ができなくても、一生父親になれなくても、生きていける」


お腹の底から絞り出すような声に、私はこくりと喉を鳴らした。


「だけど、君がいなければ……君がいなくなったら、俺は生きていられない……!」


叫びの最後は引き攣れ、強い雨音に掻き消された。
強く激しい恋情に、引き摺られる。
私の胸が、とくんと小さな音を立てた。


「葉月。俺は、この先の人生、君しかいらない」


彼が肩から顔を上げて、私を強く掻き抱いた。
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