新妻はエリート外科医に愛されまくり
「んっ……颯斗っ……!」


容赦なく最奥を攻められ、身体がビクンと痙攣する。
堪らず、彼の首に両腕を回して抱きついた。


「ああ……君の中、いい」


颯斗が私の耳元で、熱い吐息を漏らす。
その、気怠げでしっとりした声に、私もゾクッと背筋を震わせた。


「愛してる。葉月……」


颯斗は、なにか絞り出すように、切なげに呟いた。
中を掻き混ぜるみたいに、ゆっくり腰を動かし始める。


「あっ、んっ……颯斗、颯斗っ……」


縋るように呼びながら、私は心のどこかでホッとしていた。


結婚したのに。
私がなにも言わなくても、彼はごく普通に避妊した。


だからきっと、聞くまでもない。
今までも、それが当たり前だったはずだ。
結婚前提で同棲していて、子供ができても困らなくても、まだ結婚前だから。
こういうけじめは、ちゃんとつけてくれる。
そうよ。
颯斗はそういう人。


それなら、私はまだ一般的に不妊症と定義づけできる状況ではない。
焦ることじゃない。
ただ、少しだけ、頭に留めておいた方がいいというだけ。


自分にそう言い聞かせて、私は彼に愛される悦びに身を震わせた。
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