新妻はエリート外科医に愛されまくり
学君と同様に、この学校で、私がよく話す友人の一人だ。


「怪我は!? って、なさそうね」


返事を待たずに、私にサッと視線を下ろすだけで、確認できたようだ。
ホッとしたように、胸を撫で下ろす。


「怖かったねー。大丈夫?」


心配してくれる彼女に、私は笑顔を返した。


「怖かったけど、はや……夫が一緒だったので」


素直に言ってしまってから、もしや惚気に聞こえたのでは、とハッとして口を噤む。
学君には、まさにそう受け取られたようで、「夫、ねえ」と独り言ちるのが聞こえた。


「まあ、無事でなにより。……でも、銃撃事件で救護活動なんて、旦那さん英雄じゃない!」


遠山さんは、うんうんと頷いて同意してくれてから、いきなりテンションを変えて目をキラキラさせた。


「英雄なんて……」


誇らしいやら、気恥ずかしいやら。
でも、あの場で私も『神の手』に見惚れたことを思い出し、思わず頬を赤くした。


「そう言えば……私、前に一度見たことあるんだ。街中で、仁科さんが長身の超イケメンと歩いてるの」

「えっ!?」


腕組みをして話し出す遠山さんに、ギョッとして目を見開く。
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