新妻はエリート外科医に愛されまくり
夫に内緒で固めた決意
余るかと思ったサンドウィッチは、あっという間になくなった。


「ご馳走様、ハヅキ」

「あ~、和んだな」


颯斗とレイさんは、三十分ほどランチを楽しんで、先に医局に戻って行った。
二人の白衣の広い背中が、病棟に消えて行くまで見送って、


「ハヅキ」


メグさんが、呼びかけてきた。
やや改まった声色に、私は反射的にギクッとする。


「私もレイも気遣いが足りず、ごめんなさい」

「い、いえいえ!」


繰り返される謝罪に、顔の前で手を振って答えた。


「私たちの方こそ、お二人の喜びに水を差すようなことを……」

「ハヅキ。今は望まない理由は、本当にあれだけ?」


そう訊ねられ、私は言葉をのんだ。
手元に目を伏せ、ゴクリと喉を鳴らす。
そして、一度かぶりを振った。


「実は今日お訪ねしたのは、ご相談したいことがあって……」


言葉を選びながら切り出すと、メグさんが唇を結んで頷いてくれる。


「ごめんなさい。そうよね。私に用があって、来てくれたのよね。……それで?」


私は少し腰を浮かせて、彼女の方に身体を向けて座り直し、肩に力を込めた。


「病院……知りませんか」

「え?」
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