新妻はエリート外科医に愛されまくり
「できれば、日本語で診察してくれるドクターを探してるんです」


私の質問に虚を衝かれた様子で、メグさんはきょとんと目を丸くした。


「日本人ドクターがいる病院なら……」


人差し指を立てて、『ここ』というジェスチャーで返す。
それに私はかぶりを振った。


「ここでは、ダメなんです。颯斗がいたら……」


私の反応に、彼女は険しい表情を浮かべて、眉根を寄せる。


「ハヤトに内緒で、通院するってこと?」


やや咎めるような口調の前で、私もグッと詰まる。


「ハヅキ……間違ってたら、ごめんなさい。探してるのは、産婦人科?」


鋭く見抜いた質問に、奥歯を噛んだ。
だけど……。


「……はい」

「ハヤトはまだ子供は考えないって言って、でもハヅキは産婦人科って……」


メグさんは、すべてを察したようだ。
困惑したように瞳を揺らし、私を見つめてくる。


「私……先日日本で健診を受けたんです。その時、妊娠しにくい体質の可能性があるって言われて……」


私はたどたどしく言って、ぎこちなく笑った。


「受診勧められて、紹介状を書いてもらいました。でも、不妊症なんて確定診断されたら、って思うと怖くて」
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