新妻はエリート外科医に愛されまくり
メグさんは、大きく目を見開いたまま、呆然としている。


「治療には時間とお金がかかる。いろいろ屈辱的な検査とか治療もあるって聞くし、そんなことしてまで欲しがるものなのかな、子供って、とか……」

「ちょ、ちょっと待って、ハヅキ」


混乱を鎮めるように額に手を遣り、私を制した。
一度胸を広げて深呼吸してから、こちらに向き直る。


「だから、ハヤトに、『まだ考えない』って言ったの?」


その声に、やや厳しい、咎めるような調子を感じて、私は目線を揺らした。


「それは、ハヅキだけの問題じゃない。子供が欲しい欲しくないも、夫婦の問題。治療が必要になるなら、彼の協力なしには乗り越えられない。だから、ちゃんと話して相談して……」

「わかってます。でも、颯斗は、本当に子供を欲しがってるから!」


誰が聞いても『もっともだ』と思うであろう、彼女のアドバイスを、私は遣り場のない思いを抑えて、早口で遮った。
メグさんが、言葉をのんで耳を傾けてくれる。


「なのに、私のせいで……授かれないってわかったら、絶対にがっかりする。颯斗は悪くない。原因は、私にあるのに……!!」


言っているうちに、胸が締めつけられるように痛んだ。
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