夢の中の世界
「もしかして、そのオジサンから吉之がカラーボールを受け取ったんじゃ……?」
真弥が恐る恐るという様子で言葉を絞り出す。
「なに言ってんだよ! カラーボールなんて俺は知らないぞ!」
「自分が直接カラーボールを入手しなかったのは、犯人だってバレないように偽装しようとしたんじゃないのか?」
貴央が鋭い視線を吉之へ向けている。
「本当に俺はなにも知らないんだよ! 確かにキックボクシングではいつも2位や3位だ。恵一がいる限り、俺がトップになれることはない! でも、だからって事故なんて起こさない!」
吉之がどれだけ懸命に訴えかけても、一度失った信用は簡単には戻せない。
ここにいる全員が、吉之がなんらかの形で事故に関わったに違いないと感じていた。
「あの日の試合、結局吉之先輩が1位で終わりましたよね」
そう言ったのは1年の一輝だった。
一輝も由祐も同じキックボクシングをしているから、試合結果も当然知っていた。
「そうだけど、おれじゃないんだってば!!」
吉之は唾をまき散らし、目に涙を浮かべて叫ぶ。
見ていて哀れになるほどだった。
真弥が恐る恐るという様子で言葉を絞り出す。
「なに言ってんだよ! カラーボールなんて俺は知らないぞ!」
「自分が直接カラーボールを入手しなかったのは、犯人だってバレないように偽装しようとしたんじゃないのか?」
貴央が鋭い視線を吉之へ向けている。
「本当に俺はなにも知らないんだよ! 確かにキックボクシングではいつも2位や3位だ。恵一がいる限り、俺がトップになれることはない! でも、だからって事故なんて起こさない!」
吉之がどれだけ懸命に訴えかけても、一度失った信用は簡単には戻せない。
ここにいる全員が、吉之がなんらかの形で事故に関わったに違いないと感じていた。
「あの日の試合、結局吉之先輩が1位で終わりましたよね」
そう言ったのは1年の一輝だった。
一輝も由祐も同じキックボクシングをしているから、試合結果も当然知っていた。
「そうだけど、おれじゃないんだってば!!」
吉之は唾をまき散らし、目に涙を浮かべて叫ぶ。
見ていて哀れになるほどだった。